ワインの楽しみ方は、1人1人違います。
もちろん主役はお酒です。
もっとも美味しく飲める究極の形を極めた結果、まるですくっと伸びたチューリップのような形になったわけですが、シャンペングラスは、そのチューリップがぱっと花開いたように、底の浅い形になっています。
しかし柄が長いのは共通しています。

ワインは微妙な温度差で風味が変わってしまうほど繊細なお酒なので、指の体温から品質を守るために、今のような形になったのです。
いったい、いつの時代からこのようになったのか、定かではありませんが、中世期ヨーロッパの王宮に伝わっているグラスはすでに今の形になっているものが多いですから、かなり昔から続いているのです。
もうお気付きですか。
同じグラスでも、デザインにこったものや細かい模様が刻まれたグラスがたくさんあります。
お酒を入れるのさえもったいなくなってしまうほど、ゴージャスなものもたくさんあります。

いっそアンティークとして並べて飾っておきたいほどです。
まったくなんの飾りもつけず、傾けた時の光の微妙な反射が美しいシンプルなガラス製のものもあります。
パステルカラーの背景に、豪華な花束模様が描かれた、おしゃれで高級感あふれたグラスや、幾何学模様が刻まれたものなど、大変見た目にこったものをたくさん見つけることができます。
ワインは風味や味を楽しむだけではなく、ムードも大事にする数少ないお酒なのです。

ワインほど幅広い楽しみ方ができるお酒は、世界中どこを探してもありません。
職人がグラスにかけた情熱やワインにかける思いが、グラスからも伝わってきます。
こんなところが、また女性ファンを増やす元になっています。
安っぽいワインも、ステキなワイングラスで飲んだら、味も風味も違って感じられてくるので不思議です。

好きな人は、ワイングラスをいくつも集めて、まず目で楽しんだ後、その時の気分にあわせて、使うグラスを選んでいます。
贅沢な自分だけの時間をゆっくりと過ごすためです。
あなたも食器専門店に立ち寄る機会に恵まれたなら、ワイングラスが陳列された棚をのぞいてみてください。
とっておきの一品と出会えたなら、ぜひ手に入れてください。
今までつまらないと思っていた日常生活に、ほんの少しだけ彩りを添えてくれるはずです。