チョコレート

ワインが体によいとされる経緯

ワインには、美容と健康に効果的なポリフェノールやタンニンといった成分が多く含まれている事はよく知られています。
皮と一緒に発酵される赤にだけ見られる特質です。
実はお茶やチョコレートにも同じ成分が含まれていますので、有る意味お仲間です。

ただし、市販のチョコレートはあくまでもスイーツという位置にあるので糖分がかなりの量で混合されています。
お茶は特にタンニンの含有量が多いため、渋みを感じます。
赤ワインに見られる渋みも、同じくタンニンによるものです。

単にこれらの栄養素の補給だけで良いなら、アルコール度数がビールの3倍以上高いワインを飲まなくてもすむはずです。
昔から、他のお酒も適量なら体に良いと考えられてきましたので、けっしてワインだけが特別というわけではありません。
ワインが体に良いと言われるようになった背景には、アメリカ合衆国の事情が深く関わっていたのです。

テレビアニメでもお馴染み、わたしたちが見慣れているアメリカ人の多くは、ずんぐりむっくり体形をしています。
こってりした分厚いステーキやお料理、ファーストフーズのような高カロリーの食事が好まれています。
その結果、深刻な社会問題を引き起こしていました。

日本にも、噂は伝わってきているように、アメリカの子供にまで蔓延している肥満、そして虚血性心臓病での死亡率の上昇です。
しかし同じような食生活を送っているはずのフランスでは、アメリカに見られるような現象はまったく見られていません。
この事に着目した一部の医療専門家らが、この件について研究を始めました。

その結果分かったことは、フランス人が常飲している赤ワインには、血液の酸化防止、血流促進など数多くの効能を持つポリフェノールやタンニンが豊富に含まれているためであるという事でした。
この研究発表が学会で公開されるやいなや、まだ十分に研究され尽くされないうちに、世界に旋風を巻き起こしました。
噂は海を越えて、日本国中を駆けめぐりました。

1990年代の出来事です。
こうしてワインは体に良いお酒という理解が地球規模で知られる事となり、多くの業者がこの点に着目して、やたらポリフェノール含有を強調するワインが競って販売されるようになりました。
まだ研究段階にあるので、きちんと健康に良いという事が立証されたわけではありませんので、一部誤解も生んでいる面も否めません。
しかし最近の研究では、確かに抗酸化作用があり、ストレス解消や浄化作用、アンチエイジング効果、ガン・動脈硬化・心臓病、その他生活習慣病と呼ばれる各種病気の改善や予防に威力を発揮する性質があるという事もわかってきました。
ですから、ワインが体に良いというのはうそではありません。
ただし、あくまでもお酒であって、薬ではありませんので、過剰飲料は逆に健康被害を引き起こします。
適量を毎日少しずつ味わい続けていった先に、健康があるということ、さらに高級である必要はなく、スーパーやコンビニなどで手に入りやすい安いもので十分である事を覚えておいて下さい。


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